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國とは [あれこれ]

 防衛研究所より【 立川 日本の捕虜取扱いの背景と方針
一、帝國軍人ノ觀念ヨリスレバ俘虜タルコトハ豫期セザルニ反シ外國軍人ノ觀念ニ於
テハ必シモ然ラズ從テ本條約ハ形式ハ相互的ナルモ實質上ハ我方ノミ義務ヲ負フ片
務的ノモノナリ
二、俘虜ニ關スル優遇ノ保證ヲ與フルコトトナルヲ以テ例ヘバ敵軍將士ガ其ノ目的達成後俘虜タルコトヲ期シテ空襲ヲ企圖スル場合ニハ航空機ノ行動半徑倍大シ帝國トシテ被空襲ノ危險益大トナル等我海軍ノ作戰上不利ヲ招クニ至ル虞アリ三、第八十六條ノ規定ニ依リ第三國代表ガ立會人ナク俘虜ト會談シ得ル點ハ軍事上支障アリ四、本條約ノ俘虜ニ對スル處罰ノ規定ハ帝國軍人以上ニ俘虜ヲ優遇シアルヲ以テ海軍懲罰令、海軍刑法、海軍軍法會議法、海軍監獄令等諸法規ノ改正ヲ要スルコトトナルモ右ハ軍紀維持ヲ目的トスル各法規ノ主旨ニ徴シ不可ナリ

すなわち、
日本と欧米では捕虜に対する観念が異なり、日本軍においては捕虜にならないよう教育しているため、日本人捕虜は発生せず、日本だけが欧米人捕虜を待遇するという負担を負わなければならなくなること、

②敵国の航空機は発進基地への帰還を考えずに日本を空襲できるようになるため、攻撃距離が2倍になること、

③捕虜が立会人なしに外部の者と面談すれば、何でも話せ、また、何を話したのかもわからず、軍事情報が漏れる恐れもあること、

④俘虜待遇条約の懲罰規定よりも日本軍の懲罰規定のほうが厳格であるため、前者に合わせるには、後者の罰則を軽減しなければならず、そうすると軍紀が緩む恐れがあることの4点が批准反対の理由であった 】

 ハーグ陸戦条約という戦争時の

【 1899年のハーグ平和会議で制定された多国間条約。

戦争や戦闘のやり方について規定された条約で、第21条において
「病者及び傷者の取扱いに関する交戦者の義務は、ジュネーブ条約に依る」とされていることから、戦時国際法としてジュネーブ条約とセットで運用されている。 】

条約がありますが、日本がこの条約批准に反対した理由がすごいですね。
曰く「日本軍では『生きて虜囚の辱めを受けず』(1941年1月8日に陸軍大臣東條英機が示達した訓令(陸訓一号)にあり)と、捕虜になるくらいなら自害しろと教えているからそもそも捕虜はいない。なので、敵国捕虜の待遇なんてものを考慮する気は無いよ!」

④の理由なんか、現在の同一賃金同一待遇を政府が掲げたら、正規雇用の待遇が非正規雇用に合わせて下げられだしている、という考え方と全く同じ。


この国は何にも変わっちゃいないし、そもそも国民を大事にしようという思想がない、のですね。

美しい國なんですかねぇ。この國の中は民なんですけどね。
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コメント 3

Enrique

國なる抽象に命を捧げろと。現在も民を大事にしない思想に息づいています。
民の方も自らが主体だという矜持に欠けるのでしょうが。
by Enrique (2022-01-28 15:04) 

gonntan

Enriqueさん そうですね。主権者であるという意識付けがないままに恩恵だけ享受しようとしてもダメですね。その恩恵すら最近は心細く先細りですけど。
by gonntan (2022-01-28 21:37) 

momotaro

まったく、政治家や役人、大企業の経営者などは、我々の仲間や代表ではなく、支配者なんですよね、困ったもの(者)です!
by momotaro (2022-01-29 06:10) 

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